2020年5月10日日曜日

『最強のデータ分析組織〜なぜ大阪ガスは成功したか〜』を読んで

『最強のデータ分析組織〜なぜ大阪ガスは成功したか〜』を読んだ。
私の部署の仕事とかなり似ているので大いに参考になった。以下、メモ。

  • ミッション:データ分析で社内の意思決定プロセスを改革する。
  • 1年に30件 9人で各自2~4の案件を対応。
  • オフィスに齧りつかない。「使わせる力」を発揮するためには現場に赴く。
  • 「業務改善」でなく「業務改革」を目指す。
    • 両者の違いは(意思決定)プロセス自体を変えるか変えないか。
    • 同じプロセスでその中のタスクを効率化するだけでは業務改善。
  • 分析結果がどのように会社に役に立つかを常に意識する。
  • 分析方法へのこだわりを捨てる。
  • データ分析は手段であり、最終目的はビジネスに役に立つこと。
【その他】
  • 投資を担当する部署がデータ分析をすると投資する方向にバイアスがかかりやすい
    • ニュートラルに判断できる部署で分析するほうが望ましい。



2020年4月26日日曜日

「数理で読み解く科学の世界」に参加してみた

 理研の「数理で読み解く科学の世界」というイベントが面白そうだったので参加してみた。

 通常は集合形式なのだそうだがコロナの影響でzoomでのリモートでの実施となったそう。普段は30名程度なのがリモートにすると800名程度参加したとのことなので怪我の功名といったところか。

 内容はとても面白かった。知らなかったこと、知ってたつもりでもキチンと理解できてなかったことが色々。以下に備忘のためにメモ。

ブラックホールに入ったリンゴはどこへ行く?

  • 重力はどうやって物体と物体の間を伝わるのか?
    • 一般相対論:質量によって時空が歪むことによって引かれる。
  • アインシュタイン方程式(TODO)
    • 時空の歪み具合と物質のエネルギーを結びつける方程式
    • 両者が結びつくということは時空も物質と同じ物理的な対象であることを意味している。つまり時空は箱(普遍なもの)ではない。そして時空は物体と相互作用している。
  • ブラックホールは、星が重力崩壊して生まれる。
  • 古典ブラックホール
    • 一般相対論上では、無限に小さい領域に無限のエネルギーが集中している点。
    • しかし現実世界として無限小の空間に無限大に集中するってのは考えられない。そのため一般相対性理論が破綻している領域と考えられる。つまり新たな理論が必要→量子力学
  • 量子力学
    • ミクロの世界を記述する理論
    • 量子は粒子と波の性質の両方を持っている。
    • 物質の状態は揺らいでいる。
    • 状態が重ね合わせの状態をもつ。
    • シュレディンガー方程式:状態がどのように時間発展するかを記述。(ニュートン方程式のミクロ版)
i\hbar {\frac {d}{dt}}|\psi (t)\rangle ={\hat {H}}|\psi (t)\rangle \,.

  • ブラックホールが蒸発
    • 真空状態=粒子が「ある」と「ない」の状態の重ね合わせ。
    • 重力が大きく変化すると粒子が真空から生まれることがありえる。
    • ブラックホールのホライズン付近(外側)の真空の量子的な揺らぎによって光を出している。(ホーキング輻射)
    • 光(エネルギー)を出しているってことはブラックホールの質量が小さくなっていく(E=mc^2)。最終的には全て蒸発する。ただし太陽の質量のブラックホールで10^6年かかる。
  •  一般相対論と量子力学を同時に考慮しながらブラックホールの動力学を解くと粒子はホライズン内に入らないらしい。
    • ホライズン近くに入ると時間が進むのがゆっくりとなり、その間に蒸発してホライズンが後退するイメージ。
  • その他
    • 人間の重さ程度でも時空が歪んでることを実際に観測できる!

量子コンピューター

  • 量子ビットはジョセフソン接合のある超伝導体
    • 輪っかの一箇所に凄く狭い切れ目が入っていてその切れ目がコンデンサー的な役割になる。
    • 一種のLC回路となっていて電気振動する。右回り電流と左回りの電流で振動。
    • 極低温に冷やすと量子効果が現れるて超電導状態となる。すると右回りと左回りの重ね合わせ状態になる。

2018年8月26日日曜日

とりとめもないけれど・・・

2018/8/16付の日経のコラム「春秋」で、白洲次郎が彼のエッセー内で
GHQの大部分の人々について「無経験で若気の至りとでも言う様な、幼稚な理想論を丸呑(の)みにして実行に移していった」。はじめて化学の実験をした子どもが試験管に色々な薬品を入れて面白がっていたようなもの
といったGHQへの辛辣な記述をしていた、というようなことが触れられていた。

池上彰の現代史講義内の「カンボジアの悲劇」の講義を聞いた時、かのカンボジアの混乱の根本原因は、「CIAまたは政府の新人担当者が考えてみました!的な、大国アメリカの深謀遠慮というのとは程遠い施策にカンボジアが振り回された所にあるんだなー」と感じたけど、まさにそれが白洲次郎と同じ感覚だったんだろうな。

2018年8月5日日曜日

「記号創発ロボティクス」を読んで。

記号創発ロボティクス 知能のメカニズム入門」(著:谷口忠大)を読んだ。

ロボット上に知能を創り出そうと取り組む一連の研究についての解説である。読み進めているうちに、「人間の知能(または心)」とは何かということについて捉え直させられて非常に面白かった。

例えば、人間は生まれた当初は単語を何も知らないのに、単語の明示的な区切無しに連続して発音される発話の中から、いつしか人間は自然にその発話の中から単語を抽出しその単語が示す意味を理解するようになる。今まで深く考えたことなかったけど確かに不思議。

このような能力を身につけられることの理由の一つを示した研究の例が示されていた。

英語の「不思議の国のアリス」の文章から全てスペースを取り除いて、連続的な文字列の中から教師なしの機械学習で単語に分割することに成功したという。つまり言語そのものの中に、単語を区切るヒントが存在していることを示しているということだ。そんなこと思ってもいなかったので目からうろこだった。

また、人間が記述的な説明をしなくてもコミュニケーションが取れることに関するトピックの中で以下のような話があった。
そもそも、言語的なコミュニケーションとは言語により厳密に伝達内容を記述し、それを他者へ送信する行為ではない。むしろ、他者から発せられたサインとしての記号列へ解釈者が能動的に意味付けを行う創造的な過程である。
なるほどなと思う。例えば「それ」という単語(サイン)を伝達するけれど、「それ」に「机の上の醤油」という受け手が意味づけを能動的に行うことにより「それ取って」というやり取りが可能になりコミュニケーションが円滑になっている。
単語(サイン)と「そのサインが指し示す対象」の紐付きは決して人類共通ではない。人それぞれ、または状況によって動的に変わるものだということ。

おそらく「りんご」という単語一つとっても、それは人それぞれ微妙に違うはずだ。例えば、一般的な林檎を思い浮かべる人もいれば、今目の前にある机の上の特定の林檎を思い浮かべる人もいるだろう。そのような単語(サイン)と「そのサインが指し示す対象」の紐付き、つまり「記号」が、ある程度揺らいだ世界(システム)の中で、人間はコミュニケーションを行っている。

そのことを端的に上手く、以下のように書いていた。
個々の主体が環境との相互作用を通して概念を形成し、分散的にコミュニケーションする。この分散的なコミュニケーションを実現するために、また、そのコミュニケーション実現の努力を通して記号系がボトムアップに形成される。そしてこの記号系が個々のコミュニケーションを実現すると共に制約するのである。 このミクロマクロループを内在させ、記号的コミュニケーションを創発するシステムを記号創発システムと呼ぶ。

あまりまとまりのない感想文になってしまったけど、 とにかく面白かった。また読み直してみたいと思う。

2018年7月22日日曜日

中東問題の発端と経緯

さすが池上彰。池上彰の現代史講義を見ていて中東(パレスチナ)問題の歴史が凄く分かりやすかったので経緯を簡単にメモ。


  1. そもそもは約2,000年前ほどは現在イスラエルがあるところにユダヤ人王国があった。それはちょうどイエス・キリストが生きていた頃。そしてキリストはユダヤ人によって処刑される。
  2. 怒ったローマ帝国がユダヤ人王国を制服する。ユダヤ人は世界中で散り散りになる。ユダヤ人はキリストを十字架に掛けた民族として差別され続ける(※1)。
  3. 差別の延長線上で第二次世界大戦でナチスドイツのユダヤ人狩りに。600万人が殺される。
  4. 第二次世界大戦後、世界の同情を集めてユダヤ人の国を作る運動が盛り上がる。
  5. 国連の調整のもと、2,000年前に住んでいたパレスチナの地にユダヤ人の国(イスラエル)を建国へ。ただし国連は、エルサレムに関しては、3つの宗教(キリスト教/ユダヤ教/イスラム教)の共通の聖地になっているので、特定の国の土地ではなく「国際管理土地」という位置付けにした(※2)。
  6. でもパレスチナの地域は2,000年の長きの時間の中でアラブ人(イスラム教徒)が住み着いていた。だからイスラエル建国は不満。
  7. イスラエル建国宣言の翌日に周辺のイスラム国家がイスラエルに攻め込む。(第一次中東戦争)
  8. この戦争はイスラエル側が勝ったのでさらにアラブ人側は土地を失い、ガザ地区とヨルダン川西岸のみの土地のみになる。アラブ人側の難民が増える。パレスチナの土地を取り戻したい人々がPLO(パレスチナ解放機構)を結成。



(※1)差別の対象なので、卑しい職業しか就けない。その一つが金貸し(金融業)。だからユダヤ人は金融業界に今も強い。
(※2)だから各国のイスラエルの大使館は全てテルアビブに置いていた。でもアメリカのトランプ大統領が「アメリカ大使館をエルサレムに移動させる」と宣言して(そして実際に移動させて)、世界各国から避難があったのは記憶に新しいね・・・。

2017年6月25日日曜日

応仁の乱とは何だったのか?

 応仁の乱。日本史でも習うし、京都の人に「先の大戦は?」と聞くと第二次世界大戦ではなく応仁の乱と答える、といったジョークなんかもある。でも結局どういうものなのかイマイチよく分からない。なので少し調べてまとめてみた。

■発端は何か?
 足利義政(銀閣寺を作った人)の為政者としての無能っぷりが発端。そもそも義政は政治なんかしたくなかった様子。政治から逃げるために(この時点で義政に子供がいなかったので、代わりに)実弟の足利義視を後継にすると約束した。タイミングが悪い事にこの3ヶ月後に義政の正室である日野富子に男の子(足利義尚)が生まれる。
 義視を次期将軍にしたい義政と、義尚を次期将軍にしたい日野富子の争いが発端。

■誰と誰が戦ったのか?
 実はこの基本的な事が簡単ではない。それこそが応仁の乱を分かりにくくしているのだと思う。先に書いた発端でこの戦が始まったので、最初は

  •  西軍:日野富子、足利義尚、山名宗全(義尚の後見人)、大内政弘
  •  東軍:足利義政、足利義視、細川勝元(義視の後見人)

のような構図で戦っていた。
 しかし西軍優勢の状況になると、東軍大将の任を受けていた足利義視が西軍に寝返る。それに怒った義政が義視の次期将軍の権利を剥奪して、西軍の義尚を次期将軍として指名する。これにより、敵味方がすっかり入れ替わり

  •  西軍:足利義視、山名宗全(義尚の後見人)、大内政弘
  •  東軍:足利義政、日野富子、足利義尚、細川勝元(義視の後見人)

の構図で戦いが進む。
 この時点で義政と日野富子の利害は一致して将軍後継者争い自体は終結し、しばらくして義尚が正式に9代将軍に任命される。

■それでも終わらない戦い
 発端の後継者争いが決着して義尚が正式に将軍に就任したものの戦いは終わらない。
 戦いを率いていた山名宗全も細川勝元もこの頃には既に亡くなって明確なリーダーもいない中、戦いが全国に広がり様々なしがらみが生まれて、東軍も西軍も戦を止めるに止められない状況になっていた。これが約12年の間、泥沼のように続く内乱になっていく。

■終結
 日野富子の政治手腕がこの内乱を収束させていく。
 長引く戦で京都の町も荒廃し、当事者たちもお金が底を尽き、誰もがこれ以上の戦いを望んでいない状態だった。
 それでも戦争が続いているのは、敵方西軍の有力者である大内政弘が敗戦濃厚となっているにも関わらず京都に居座って戦を続けていたから。大内義弘は敗戦して撤退すれば領土も失い官位も剥奪されるため退くに退けずいた。それを見抜いた日野富子は天皇に直訴して領土や官位をそのままにするよう計らう。それにより大内政弘が京都を離れ、事実上の終結を迎える。

■戦国時代へ
 この内乱は足利将軍家の時代の終わりのはじまりとなり、各大名の台頭とそれらの争いの時代、つまり戦国時代へと移り変わっていく。


 明確なリーダーがいない、退くに退けずに小競り合いが続いて泥沼化など、中東問題やパレスチナ問題やらに通じるものがあるなー、と思う。現代にも日野富子みたいなリーダーが出てくれればと願う。トランプさんはそんなこと全く興味はないだろうしそんな期待はできないな。トランプに敗れたヒラリーさんはこのような手腕を発揮してくれただろうか。応仁の乱を調べてみてそんなことを考えさせられた。

ドラッカーの「プロフェッショナルの条件」を読んで

京都に引っ越す際に荷物をまとめていたら、昔読んだドラッカーの「プロフェッショナルの条件」が出てきたので再読。

「成果をあげるには?」ということに焦点を当てたこの本。まだ前半だけしか読んでいないけど、やっぱりドラッカーはいろんな気づきを与えてくれると思った。

一番の気づきは、「成果をあげる能力は才能ではなく、習得できる技能であるということ。成果をあげるための習慣を身につけさえすればいい。そして習慣は反復して習得していくもので九九を暗唱するように条件反射でできるようになることが必要。決して卓越した能力が必要ではない、成果を上げるための並みの能力があればよい。」ということ。

そしてその習慣とは、「組織の目的を明確にすること。その目的を達成するために何に集中するべきかを明確にすること。」

後半も引き続き読んでいく。


2015年9月25日金曜日

「しんがり 山一證券 最後の12人」を読んで


しんがり 山一證券 最後の12人 を読んだ。

山一の事件が起こったのは自分が大学生だったころだと思う。自分の記憶に残っていることは、自主廃業時に野澤社長が記者会見で「社員には責任はありません!悪いのは経営者です!」と号泣しながら叫んだあの記者会見と、「簿外債務」「飛ばし」といった断片のキーワードだけだった。

この本には、山一が自主廃業を決め号泣会見に至るまで、そしてその後の会社の清算業務や不正の調査のチームの奮闘の経緯が非常に臨場感たっぷりに描写されている。読んでいるうちに自分の表面的な記憶の裏側がどんどん繋がっていく面白さがあった。

会社組織は簡単に腐っていく、そして後戻りできなくなる。その中で現れてくる人間の心理と行動模様が読んでいて非常に面白かった。もう自主廃業が確定しているのに、野澤社長がホントのことが周りに言えず、中途半端に情報開示して、その場をやりきろうとする弱さ。自分も野澤社長の立場であればそういう行動をしてしまうのかもしれない。反面教師としてきちんと心に留めておきたい。








2015年7月6日月曜日

グーグルの「悪夢画像」の記事を読んで

この記事を読んで、人工知能(AI)が芸術を生み出す時代の本格的な幕開けだなと思った。Googleが人工知能を応用して、画像を加工し、幻想的な世界観の絵を生み出したという記事。

グーグルの新しい写真アプリで人の顔や動物を認識するのに用いられている人工ニューラルネットワークは画像を特定できるパターンを見つけるものだが、Inceptionismでは逆に、「知っているパターンに近い何か」が少しでも検出されたら、その部分をフィードバックループで繰り返させていくことで、奇妙な悪夢のような世界を生成させた
というのは、なるほど面白い発想で、上手い人工知能の利用の仕方だなー、と感心した。

人間の発想では生まれない「美味しい」レシピを生み出す記事を読んだときにも思ったけれど、人工知能の強みって、人間の常識が通じないレベルの発想が出来る所だと思う。

人工知能に刺激されて、人間自身の発想力や芸術力が鍛えられる時代が来るのだろうか。そんな時代には人間に発想力や芸術力は求められなくなってしまうのかも知れない。その時、人間の存在意義って何になっているんだろう。

2015年5月3日日曜日

アイ・アム 〜世界を変える力〜

「アイ・アム 〜世界を変える力〜」という映画を観た。ライヤー・ライヤーや、ナッティ・プロフェッサーなどを撮ったトム・シャドヤックが作ったドキュメンタリー映画。

世界は何か根本的に間違ってるんじゃないか?そんな疑問から行った様々な精神的指導者へのインタビューをまとめたものだ。

幸福を富と同義に位置付けることにより、幸せになりたければ、物を買って物質的な裕福さを求めるよう人々を誘導するアメリカ式のマーケティング。そしてその結果生み出された、人々を市民ではなく消費者としてみる消費社会。一部の成功者とされる人間が富を独占する社会。今、僕たちはこれを当たり前の事として受容してるけど、ホントにそれが正しいのだろうか?

人間自身の特性を考えたときに、「王国」が向いているのか、「民主主義」が向いているのか?

これらの疑問に、この映画は様々な論点から他者との協調、助け合いこそが人間の本質なんだと。そしてこの格差・貧困の世界が、通常であることと思う事こそが心の病だと主張する。

そして僕たちも心の底ではその主張に同意している。でもその考えが広がらないのはなぜだろう。今とは真逆の考え方だから、それを実現するのは時間がかかるし、難しいんだろう。

でもこれまでの歴史を見れば、社会は黒人公民権運動の例のように古い時代では考えられなかった変革を成し遂げてきた。

それは一人のヒーローの出現ではなく、名もない一人一人の小さな行動によって実現したという。社会の変革もJim Collinsのいうところの「弾み車」なんだと気付かされた。

最後に映画のなかのセリフから。
「神は、他の誰かがいるわけでなく、あなたしかいないと言っている。個人の力が大事なんだ。情熱を持って、『変わることが出来る』と皆に伝えるんだ。」

また観たいと思う、良い映画だったな。

2015年3月16日月曜日

Jim Collinsの"Good to Great"を読んで

Jim Collinsの"Good to Great"を読んだ。
ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則として邦訳もされている。

1965年~1995年にFortune500にランクされた1,435の "良い" 企業のうち、ある時点から市場の平均に比べて業績(*1)が3倍以上よい状態を15年以上維持した11の企業をピックアップし、それらの企業がなぜそのような飛躍を遂げられたのかを調査したものだ。

面白いのは、これらの企業に「共通の特徴」を探るのではなく、これら飛躍を遂げた"Great(偉大)な"企業と、それらと同じ業種、規模、業績だったが、飛躍が遂げられなかった比較対象の"Good(良好)な"企業とで「何が違うのか」を調べている点だ。

また非常にデータに基づいた調査とその結果から書かれており、非常に受け入れやすい。
本の中では、Jim Collinsはこの調査から飛躍の法則を7つの概念に集約し、フレームワーク化して説明しているが、その詳細は本に譲る。

これらの飛躍を遂げたGreatな企業は僕が想像していた
  ・剛腕(敏腕)の経営者
  ・自由な企業文化
というものはなく、
  ・謙虚な、しかし持続的な結果を出すために非常な情熱を傾けるリーダー
  ・自らを律する企業文化
を持つ企業。
剛腕な経営者による、ダイナミックな改革などが行われた企業はどれもGreatにはなれず、Goodな企業(または衰退企業)になっているところが何とも驚きだった。

また、飛躍は外部から見れば、ある日突然ドラマチックに起きたように見えるが、これら実際に飛躍を遂げた企業を内部から見ると、その飛躍を決定づける改革やイノベーションやラッキー等の奇跡の瞬間などがあったわけではなく、ブレークスルーの何年もの前からの「自らが本当に進むべき方向性(*2)」に向かってブレルことなく日々行う小さなアクション積み重ねの結果であったということ。Jim Collinsは弾み車という比喩を使って、うまくこれを描写している。

自らの組織を飛躍させるために必要な本当のことを教えてくれた、最高の本だった。

(*1) 厳密には株式の累積運用成績
(*2) ハリネズミ・コンセプトと本の中では命名している。これ自体非常に重要なコンセプトだが、
   なぜハリネズミか?どう見つけるのか?も含め、詳細は原著に譲る。


2015年2月1日日曜日

黒田如水

吉川英治の黒田如水を読む。

「如水」は黒田官兵衛の出家後の名。ちなみに、福岡藩初代藩主である黒田長政の父親。

リーダーとは、より本質でより大きな視点で進むべき道を考え、それを人に説くことが出来ることなんだと、この本の序盤のエピソードで教えられた。

もともと毛利の陣営であった小寺政職(まさもと)が治める播磨の御着城が、織田信長に攻め入られるかもという時に、評定がどっちが優勢か?それによりどちらにつくかという議論に終始していた中、官兵衛は天下のためにはどちらが天下を治めるべきかの議論を展開した。

経営学者のP.F.ドラッカーの考え方にも「部下の仕事の生産性を高めてあげることが最良のモチベーションを高める方法である」というものが有る。

自分が生き残るために自分の命を懸けるのではなく、より天下を良くするために自分の命を懸けるほうが絶対にモチベーションが上がる。

リーダーは、より大きな視点で正しい道を示せばよい。こんな簡単に思えることでも普段できていない自分に反省。

2014年5月3日土曜日

久々に歩いた。

前のGPSロガーが壊れたので、新しく買った、GarminのGPSの eTrex10J を連れて、坂東三十三ケ所巡りの旅を再開した。

今回は前のGPSロガーが壊れて記録できなかったところを再度歩きなおした。


2013年4月20日土曜日

「平成ジレンマ」を観て

ポレポレ東中野で「平成ジレンマ」を見た。戸塚ヨットスクールについてのドキュメンタリー映画。以前見た「約束~名張毒ぶどう酒事件死刑囚の生涯」と同じ東海テレビの制作。

「体罰が悪」という思想だけで考えれば、戸塚ヨットスクールは確かに「悪」だ。
そもそも異常な頻度で訓練生の自殺が起きている。これは事実だ。

でも・・・と、映画を観て思う。
社会の誰もやりたがらないサービスを担っていることは否定できないと思う。
親にも手がつけられず、どの学校や厚生施設にも受け入れてもらえない。そんな非行や引きこもりの子供を持つ親の最後の駆け込み寺としての役割は、今のところ戸塚ヨットスクールにしか出来ていないじゃないか。

だから、体罰も含めた戸塚ヨットスクールの教育方法の良し悪しの議論とは別に、このスクールの存在意義はきちんと評価しないといけないと思う。同時に戸塚ヨットスクールの存在が必要なくなるような教育制度や教育方法を確立していかないといけないと思う。

上映後の戸塚校長のトークショーは、賛同できないところも多かったけど、
「ともすれば生徒の立場の方が教師より上になってしまっている現代の教育現場でマトモな教育なんてできるわけなんてないでしょう。」
っていう言葉は、共感を感じたな。

2013年4月10日水曜日

Mathjaxを使ってみる。

ここを参考に、MathJaxを使う。
書いてあることをそのままやればよくて、bloggerのテンプレート設定画面から、「ブログで使用中」の「HTMLの編集」で、headを閉じるタグの直前に、指定のscriptタグを挿入するだけで使えるようになった。

ここで書かれているようにダラーマークで囲って数式化する方法もあるみたいだけど、どうもうまくいかなかったので、諦めた。

以下に数式の例を何点か。

(例1:一行の数式)
\[\left( \sum_{k=1}^n a_k b_k \right)^2 \leq \left( \sum_{k=1}^n a_k^2 \right) \left( \sum_{k=1}^n b_k^2 \right)\]
(例2:インラインで数式)

円の面積は\(S=\pi r^2\)

うーん、いい感じ。使いやすい。
既にポストしたものもこれに順次入れ替えて更新していこうと思う。

(2013-04-20追記)
モバイル(iphone)ではMathJaxは動いてくれないっぽい。

2013年4月6日土曜日

HeadFirst Statistics を読む。(1章~5章)

掲題の本を読んだ際のメモを以下に列挙していく。
■1章:情報の見える化について
  • ヒストグラムの注意点
    • ヒストグラムの棒グラフの面積は度数に比例していないといけない。
      • グループ分けされた間隔が一定でない場合には、グラフの縦軸を度数密度(=度数/グループの幅)で示さないと、間違った情報を伝えてしまうなど、注意が必要。
    • 累積度数という統計用語:ある値の累積度数とはその値以下の度数の合計。
■2章:主要な傾向を測る
  • 「平均(average)」にもいろいろある。
    • 算術平均(mean)
    • 中央値(median)
    • 最頻値(mode)
  • 算術平均・・・いわゆる小学校で学ぶ平均。(μで示すことが多いらしい。)
    • 外れ値(極端に全体の傾向から離れている値)があり、データに歪みが生じている場合に、算術平均は典型的な値を示さなくなる。
    • データに存在しない値が算術平均になる場合がある。
  • メジアン・・・全てのデータの値を昇順(または降順)に並べたときに中央にくる値。
    • 同じ値のデータが複数ある場合には、存在する数だけ並べることに注意。
    • データ総数が偶数の場合は、中央の値が無いので、最も中央寄りの2つの値の平均がメジアンとなる。(この場合は、データに存在しない値がメジアンになる。)
  • 最頻値・・・最も度数が大きい値。(複数ある場合は、複数の最頻値となる。)
    • 算術平均やメジアンと異なり、絶対にデータ習合に存在する値となる必要がある。
    • カテゴリーデータでも使える。
    • 最頻値が多数ある場合は、最頻値に意味がなくなる(役立たなくなる)。
■3章:ばらつきと広がりを調べる。
  • 広がり
    • 「範囲」という尺度・・・単純にMAX値-MIN値
      • 外れ値があると大きく影響を受ける。
      • 外れ値を除外したい。⇒一貫性のある方法はないか?→「四分位範囲」
    • 「四分位範囲」という尺度・・・(ざっくりいえば)データを大きさ順に4つのグループに分け、最も大きいグループと、最も小さいグループを除外して、「範囲」を求める。
    • 箱ひげ図という可視化方法・・・広がりを上手く可視化する方法。
  • ばらつき
    • ばらつきを示す上手い尺度はないか?
    • データの中の各値と、データ全体の算術平均からの距離の平均をとれば、ばらつき度合いの尺度にできるのではないか?
    • でも、単純に算術平均の差(=距離)を足し合わせると差(=距離)の平均はゼロになる。
    • じゃー、算術平均の差(=距離)の2乗の平均をとればいいのでは?という発想。
      • 【疑問】差でなく距離なのだから差の絶対値の平均をとればいいと思うのだが、そうしない理由はなんだろう・・・
    • 以上の発想で分散(Variance)という量が定義される。
    • 距離の2乗の平均は、あまり直感的でないので、この分散の平方根をとる。これが標準偏差
  • 標準得点という発想
    • 算術平均や標準偏差が異なるデータ間で値を比較する手段。
    • 値Xの標準得点zはで計算される。
    • つまり、データの中での値Xの位置を算術平均がゼロで、標準偏差が1のデータ内の位置に変換している。
    • 【疑問】この標準得点て、入試などの「偏差値」と関連がある?

■4章:確率
  • 条件付き確率とベイズの定理
    • 条件付き確率を見える化する場合、「確率木」で表現すると便利。
    • 条件付き確率とベイズの定理は、以下のとおり。

  • 独立
    • 2つの事象AとBが独立である場合、P(A|B)=P(A)が成り立つ。
    • 逆に、この式(P(A|B)=P(A))が成り立つ場合、AとBは独立といえる。
■5章:離散確率分布

  • 期待値
    • 定義式は、
    • 期待値は算術平均に似ている。
    • 分散もある。
    • 標準偏差は、分散の平方根。
  • 線形変換
    • 期待値や、分散は線形変換が成り立つ。
      • E(aX+b) = aE(X) + b
      • Var(aX+b) = a^2 E(X)
  • 独立観測値という考え方
    • 期待値がE(X)、分散がVar(X)となる試行をn回行った場合、その期待値はnE(X)、分散はnVar(X)となる。
    • 線形変換と、独立観測値の違いに注意。
  • XとYが独立した確率変数、a、bが定数とすると、次の式が成り立つ。
    • ここで、分散はX-Yでも、Var(X)+Var(Y)になること注意。

    約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯

    映画「約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」を見た。

    約50年前に起きた、三重県名張市葛尾地区の公民館で起きた毒物混入事件。その犯人とされ、死刑が確定した奥西勝死刑囚が無罪を訴え続けて再審請求を繰り返す。そのドキュメンタリー映画だ。

    「名張毒ぶどう酒事件」は、たまに新聞などで目にしていたけれど、どんな事件か、なにを争っているのかなど知らなかったし興味もあまりなかった。この映画を見て事件のなにが問題なのかを知った。多くの人にこの映画が見られるべきだと思う。まずは事件について知ること。それが大事だ。この映画はそれに最適だと思う。

    もちろん僕には、奥西勝死刑囚が犯人なのかそれとも冤罪なのかの真実はわからない。

    ただ、この映画を見て司法が機能不全になってしまっているように感じた。死刑判決が自白に依拠し、その自白の矛盾を再審請求で証拠をあげて証明しているのに、それを却下する裁判所。却下の正当性は(少なくとも映画のなかでは)見つけられなかった。日本の司法はこんなものなのか、本当にそうなら失望を禁じえない。

    時間が経過すればするほど事態は硬直する。奥西を犯人と信じこむことで自らを無理矢理納得させ、事件は終わったものとしてしまっている事件の当事者たち。判例が積み重ねられていくごとに、過去の先輩判事の判例を覆せなくなっていく裁判官とその縦社会。

    でもこれらを解きほぐすことは不可能ではないと信じたい。奥西勝死刑囚が生きている間に、公正な判断が下されることを願いたい。




    2013年4月3日水曜日

    劇場版:花咲くいろは~Home Sweet Home~

    「劇場版:花咲くいろは~Home Sweet Home~」を見に行く。
    ディズニーやジブリ以外のアニメ作品を映画館に見に行くのは初めてだ。

    平日の昼間にも関わらず会場には30人位の人がいた。予想通り99%がアニメが好きそうな男達だ。スーツなサラリーマンもいる。

    そんな観客に交じって、会場ど真ん中を陣取る。

    映画がはじまると、一気に映画の世界に引き込まれた。
    TVアニメから全く変わってない世界観やキャラクターで安心して見られたし、過去と現在の間で行ったり来たりする時間軸の変化や、主要なキャラクターにバランス良くスポットライトが当たるストーリー展開が心地よかった。
    TVシリーズではなかった冬の自然の景色がキレイで、母親の凛とした決意に馴染んでよい。

    上映時間が66分と知って「短い上映時間に満足できるかな?」と不安だったけど杞憂だった。

    岡田麿里さんの脚本は「ハズレがないな~、安心して見られるな~」と思う。

    追記、
    エンディング曲よかった。欲しい。

    HeadFirstデータ分析を読む。

    データアナリストのための入門書。データアナリストの仕事内容が模倣されたストーリーが展開されていて、読んでて楽しい。
    この本では解決するべき問題に応じて解析ツールを使い分けることと、そのツールの一端を紹介している。ツールは多岐にわたる。
    • 実験計画法
    • 最適化
    • 適切な視覚化
    • 仮説検定
      • 現実の世界の事象の「要因」はネットワーク上に複雑に絡み合っているということを忘れてはいけない。また、その要因の絡まりを書き下して整理することで、見えてくるものもあることを忘れてはいけない。
      • 複数の仮説のどれが正しいのかを検証するときは、「反証(立証されない仮説を取り除く)」によって行わないといけない。
        • 最も適当だと思われる仮説を選ぶと、「満足化」してしまう。
    • ベイズの定理
      • 事後確率の概念は大事だ。
    • 主観確率
      • 主観の言葉(必ず、おそらく、ほぼ・・・など)を数値の確率で表わすことで、事実が見え課題解決の突破口が見えてくるストーリーは面白かった。また、数値の確率で表わすことで、ベイズの定理を応用できるようになる。
    • ヒューリスティック分析
      • 必ずしも課題解決のために必要なデータはそろわない。ならば、手に入れられるデータから(最適解である保障はないものの・・・)最善の結論を得ないといけない。
      • 「高速で倹約的なロジックツリー」を描いて問題を整理する手法は、「なるほど」と関心したし実践していきたい。
      • 問題の最適解を保証できないことは、計算アルゴリズムでもあって、保証はできないけれど経験的に最適解を得られるアルゴリズムを「ヒューリスティックアルゴリズム」という。
    • その他、統計に関する全般のトピック
    • RやExcelの分析機能
    次は、「HeadFirst Statistics」を読む。


    2013年3月28日木曜日

    猿でも分かるモンティ・ホール問題

    最近、モンティ・ホール問題に関連することに何度か出くわした。一つは映画「ラスベガスをぶっつぶせ」。主人公の論理的思考を試すために、この問題が出題される。2つめは知識botでこのキーワードが紹介されていた。
    そろそろ自分の中でもこの問題について整理するべきなのだろうと考えて、「サルでも分かるモンティ・ホール問題」としてポストする。


    ■■モンティ・ホール問題とは?
    確率論の問題の一つで、アメリカのTVショーで行われていたゲームが発端となった。具体的には以下のような問題だ。
    1. ドアが3つある。その中の一つのドアが当たりで、残りがハズレ。
    2. 挑戦者は、これらのドアのうち1つを選択する。
    3. 司会者は、残った2つのドアからハズレのドアを1つ開ける。
    4. さて、この時挑戦者が当たりを引きたければ、選択したドアを変更するべきか?

     この問題、直感的には、ドアを変更してもしなくても確率は同じと思ってしまう。しかし、論理的には「ドアを変更するべき」が答えだ。

    以下に、

    1. ケースを網羅して確率を出す
    2. ベイズの定理を応用して確率を出す

    の2つの方法で、論理的に答えを出してみる。

    ■■1.ケースを網羅して確率を出す
    3つのドアをA、B、Cと名付ける。上記の問題のステップ1と2までで起こり得る全てのケースとその確率を列挙すると、以下の表のようになる。

    次に、ステップ3の司会者がドアを開けるケースとその確率を上の表に追記すると以下の表になる。

    上記ケースのうち、

    • 挑戦者が最初の選択したドアを変更して当たりを引くケースは3、4、5、8、9、10で、確率の合計は「2/3」
    • 挑戦者が最初の選択をしたドア変更せず当たりを引くケースは、1、2、6、7、11、12で確率の合計は「1/3」
    そのため、挑戦者は「ドアを変更したほうがよい。」という結論になる。


    ■■2.ベイズの定理を応用して確率を出す
    ベイズの定理についての詳しい解説は、Wikipediaに譲る。
    モンティ・ホールの問題は結局のところ、司会者がドアを開けた後、残りのそれぞれのドアが当たりとなる「事後確率」を求める問題だ。

    モンティ・ホール問題 を解くために、ステップ2で、挑戦者はAのドアを選択し、司会者がBの扉を開けた状況を前提に話を進める(※)。この場合、「挑戦者はドアを変更するべきか?」の問いは、即ち、Bを開けた後にAが当たる事後確率「P(A当|B開)」とCが当たる「P(C当|B開)」を計算し、比較すればよい。

    ベイズの定理より、
    P(A当|B開) = P(B開|A当)P(A当)/P(B開)なので、左辺の各確率を求めていく。


    • P(B開|A当)・・・Aが当たりなら司会者はハズレであるCとBのどちらか扉を等しい確率で開けるため、1/2。
    • P(A)・・・Aが当たりの確率は1/3
    • P(B開)・・・P(B開)=P(B開|A当)*P(A当)+P(B開|B当)*P(B当)+P(B開|C当)*P(C当)=1/2*1/3+0*1/3+1*1/3=1/2  (※2)


    同様に、P(C当|B開)=P(B開|C当)P(C当)/P(B開)を求めると、1*(1/3)/(1/2)=2/3

    よってP(C当|B開) > P(A当|B開)なので、挑戦者は「ドアを変更したほうがよい。」という結論になる。


    (※)他の場合も同様に考えることができる。
    (※2)P(B開|B当)は、Bが当たりなら司会者は扉を開けないためゼロになる。また、P(B開|C当)はCが当たりなら、Aはすでにあけられているため、司会者は残るBを開けるしかないため確率は1になる。