2020年4月26日日曜日

「数理で読み解く科学の世界」に参加してみた

 理研の「数理で読み解く科学の世界」というイベントが面白そうだったので参加してみた。

 通常は集合形式なのだそうだがコロナの影響でzoomでのリモートでの実施となったそう。普段は30名程度なのがリモートにすると800名程度参加したとのことなので怪我の功名といったところか。

 内容はとても面白かった。知らなかったこと、知ってたつもりでもキチンと理解できてなかったことが色々。以下に備忘のためにメモ。

ブラックホールに入ったリンゴはどこへ行く?

  • 重力はどうやって物体と物体の間を伝わるのか?
    • 一般相対論:質量によって時空が歪むことによって引かれる。
  • アインシュタイン方程式(TODO)
    • 時空の歪み具合と物質のエネルギーを結びつける方程式
    • 両者が結びつくということは時空も物質と同じ物理的な対象であることを意味している。つまり時空は箱(普遍なもの)ではない。そして時空は物体と相互作用している。
  • ブラックホールは、星が重力崩壊して生まれる。
  • 古典ブラックホール
    • 一般相対論上では、無限に小さい領域に無限のエネルギーが集中している点。
    • しかし現実世界として無限小の空間に無限大に集中するってのは考えられない。そのため一般相対性理論が破綻している領域と考えられる。つまり新たな理論が必要→量子力学
  • 量子力学
    • ミクロの世界を記述する理論
    • 量子は粒子と波の性質の両方を持っている。
    • 物質の状態は揺らいでいる。
    • 状態が重ね合わせの状態をもつ。
    • シュレディンガー方程式:状態がどのように時間発展するかを記述。(ニュートン方程式のミクロ版)
i\hbar {\frac {d}{dt}}|\psi (t)\rangle ={\hat {H}}|\psi (t)\rangle \,.

  • ブラックホールが蒸発
    • 真空状態=粒子が「ある」と「ない」の状態の重ね合わせ。
    • 重力が大きく変化すると粒子が真空から生まれることがありえる。
    • ブラックホールのホライズン付近(外側)の真空の量子的な揺らぎによって光を出している。(ホーキング輻射)
    • 光(エネルギー)を出しているってことはブラックホールの質量が小さくなっていく(E=mc^2)。最終的には全て蒸発する。ただし太陽の質量のブラックホールで10^6年かかる。
  •  一般相対論と量子力学を同時に考慮しながらブラックホールの動力学を解くと粒子はホライズン内に入らないらしい。
    • ホライズン近くに入ると時間が進むのがゆっくりとなり、その間に蒸発してホライズンが後退するイメージ。
  • その他
    • 人間の重さ程度でも時空が歪んでることを実際に観測できる!

量子コンピューター

  • 量子ビットはジョセフソン接合のある超伝導体
    • 輪っかの一箇所に凄く狭い切れ目が入っていてその切れ目がコンデンサー的な役割になる。
    • 一種のLC回路となっていて電気振動する。右回り電流と左回りの電流で振動。
    • 極低温に冷やすと量子効果が現れるて超電導状態となる。すると右回りと左回りの重ね合わせ状態になる。